「放任」と「放置」はどう違う?|~子どもとの心地よい距離感を保つ方法~

仲の良い親子ほど、時として「距離感」がわからなくなることがあると思います。

よくある戸惑いが、「放置」と「放任」の違い。

子どもとの「距離」が遠すぎるのも近づきすぎるのも、ちょっと問題です。

 

子どもと真剣に向き合う真面目な親御さんほど、「どこまで関わるか?どこから先は子どもに任せるか?」について悩んでしまいがちです。

そこで今日は読者の方からいただいた質問をもとに、「放任」と「放置」の違いについて考えてみます。

 

「放置」と「放任」は似ていても異なります

「放任」と「放置」、言葉は似ていても子どもへ関わり方は大きく違います

ちなみに辞書を引いてみると、

「放任」とは、干渉せずに放っておくこと。成り行きにまかせておくこと。 

「放置」とは、ほうったままにしておくこと。また、置きっ放しにしておくこと。 

・・だそうです。(weblioより)

 

「放任」という言葉のイメージですが、「任」という漢字が使われている通り、子どもに「任せる」のが「放任」

子どもの意思に任せている親自身の自覚と目線があるわけで、

子どものことはしっかりと意識の中に捉えられているはずですね。

 

一方で、「放置」とはつまり、「置いておいて何もしない」こと。

なんだか「置物」みたいで、その場に置いたら動かないモノとして扱っているような印象を受けます。

これには親の自覚や関心はあまり感じられません

 

度々問題になる育児放棄の問題も、「放置」が原因。

自分だけでは生きることさえもままならない子どもを「置きっ放し」にしていたから起こる問題です。

(「放任」にはたいてい元気が良すぎて親の言うことを聞かない(笑)、元気の良いコドモの姿が思い浮かぶのは僕だけでしょうか?)

 

 

日常生活の中の「放置」と「放任」

では、「放置」と「放任」の違いを日常の場面に置き換えてみます。

思春期の親子にありがちな、子どもが親を邪険にする場面を想像してみてください。

 

『放っておいてよ!』と、親と距離を置きたい子どもの気持ちは、『もう、自分でできるから!』『これは自分の問題だから!』というものです。

そのような時は(心配でも)手を出さないことです。

たとえ親には失敗することがわかっていても、それは学習の貴重な機会になります。

あえて、「離れてあげる」という言い方が正しいかもしれません。「観察」です。

そのような態度とは逆に、思春期は「しっかりと見ていてほしい」のも本音です。

「近づきすぎると鬱陶しがるくせに、しっかり見ていていないと怒る」と言う、メンドくささも思春期の姿です。

 

思春期を迎え、親と距離を置きたがるのは、親が嫌いになったわけではありません。誤解しないでください。

「自分で何とかしたい」

「いちいち説明するのが面倒」

「親を納得させるだけの語彙がまだ足りない」・・

だいたいこんな理由があります。

 

付かず離れずの関係が大事な時期

またその時期は、自分の領域を侵害されることを嫌う傾向もあるのです。

部屋にこもったり、家族であろうと、自分の領域や好みに勝手に足を踏み入れてもらいたくないもの。

そういった時期には趣味や嗜好に「干渉」しないことを心がけてください。

小さい頃は秘密もなく、何でも話して甘えてくれていたものがいきなり『ウザい・・』となるものだから、親としても驚きと寂しさを感じるのも無理はありません。

しかし、本当に親が手を引いて「放置」してしまうと・・つまり、子どもが親の目線を感じなくなると、本気で何処かに飛んで行ってしまう危険性もあります。

辛抱強く、「付かず離れず」の関係を築いてください。

いつでも「親に見られている」という意識と安心感が何より大事な時期です。

 

心地よい距離感の保ち方

では、どうすれば、子どもとの心地よい距離感を保てるでしょうか?

大事なことは、「心地よい家庭環境」作りです。

あなた自身が、「人といて心地よいと感じる場面」「相手に親近感を感じる場面」を想像してみてください。

例をいくつかあげると、

・同じことをやっている時

・同じ話題で話している時

・自分のやっていることが誰かに邪魔されない時

居心地の良さを感じませんか?

 

子どもにとってもそれは同じです。

自分が好きなことは親にも興味を持ってもらいたいし、話を聞いてもらいたいものです。

試しに、子どもがハマっているものを話題にしてみませんか?『それって、いいね!』みたいに。

きっと夢中で話してくれます。

それがきっかけで親子の距離が縮まったらラッキーです。

子どもに興味を持つということは、子どものやっていることに興味を持つことです。

 

逆に悪い例ですが、

「話したいのに、話せない」とか、

「静かに集中したいのに、テレビを(大きな音で)つけている」とか、

「そっとしておいてほしい時に、親が成績のことで小言を言ってくる」・・、、

それらは、子どもにとって小さなイライラの原因になりますよね。

 

リビング学習でやる気の出る理由とは?

学習環境のことについても考えてみましょう。

リビングで勉強する子どもは成績が相対的に良いことが多いそうです。それはなぜでしょうか?

自分の部屋で一人で勉強しているよりも、家族のいるリビングの方が効果的だとは少し意外な感じがあるかもしれません。

 

おそらく、「やる気」がでる条件が整っているのでしょうね。

子どもにとって、「自分の頑張っている姿を見てもらいたい」「親に褒められたい」そして、「親と一緒にいたい」というのが多分ホンネ。

けれど、『親と一緒に買い物してる姿なんざ、カッコ悪くて友達に見られたくない』

こういった「事情」もあります。

ならば、家の内と外を使い分けてみましょう。

家の中では思いっきり「イイコイイコ」してあげる時も、思春期の頃にはまだ必要なのです。

甘えたい相手がすり寄ってきたらいつでも「イイコイイコ」してあげるつもりで、

愚痴を聞いてあげてください。そして、弱音を受け止めてください。『大丈夫だよ』の一言をかけてあげてください。

少しくらい落ち込んでいても、おなかいっぱい食べてぐっすり寝たら、たぶん次の朝には元気になっていますから。

 

選択するのは子ども自身

最後ですが、アドラー心理学にこんな例えがあリます。
You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.

馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。』

子どもの意志を大事にしましょう。

するかしないかの選択権はコドモにあリます。

勉強する気もしない気も、理由がちゃんとあります。それを聞いてあげましょう。

 

 

また、勉強しなかった結果、それなりの苦労を背負うことになっても、それも子どもが選択したことなのです。

親が無理やり勉強させて、「勉強嫌い」どころか「ことごとく反発する」子どもになってしまうよりはずっといいと思うのです。

勉強したいと思える環境は、ズバリ、「親が関心を持って見守ってくれてくれている」所です。

そして、最高の「相談相手」そして「見本」として、親はいつも子どものそばにスタンバっていたいものだと思います。

  
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